あんた達 ケダモノよ!(その1)

twilight

2009年11月13日 12:11

 こちらでもアメマス釣れてるらしいが、 どうにも寒くて釣りに行くのがつらい
行きたい気持ちはあるけれど・・・こんな日には・・ 


ちょっと ここいらで 昔話・・閑話・・・ 


ストーブフィッシング




 
15の頃 同級生と二人で 30kmも離れた川へチャリンコで 釣りに行った


(長い長い話です 挿絵がわりに・・)
 
 初めて来た川は 流れが速く まるで大きな渓流のようだ


僕らは 我先にと 竿をだし釣り下っていくが 魚影は薄く時々小さな虹鱒が竿を揺らすだけ


まるで期待はずれの釣果にガッカリしながら川を下る僕らに 

追い討ちを掛けるような雨が降り始めた時


二人は その声に気づいた


対岸で 何かが 唸っている


低く 小さく・・・唸り声が・・聞こえる

背中を冷たいものが流れる・・・やばい

ここに羆がでるという話は聞いていた・・(当時の僕は、羆の事などあまり現実味のある話として
                                      とらえていなかった)
 
だが しかし 今 現実に対岸から得体の知れない唸り声がしている


姿を見せないそれが 二人の恐怖心を煽った 

それにもまして さっきまで かすかだった唸り声が 大きくなっているのが怖かった


唸り声は 自分達のわずかに上手の対岸から聞こえる



戻るのは 絶対に危険だと感じた このまま下り続けて やり過ごすしかない

僕らは 意を決して川を下りはじめたが 川は深くすぐに行く手を阻まれてしまう



それもそのはず 僕らが立っていたのは なんと岸ではなく 巨大な砂防ダムの大きな中洲

まさに進退窮まった状況が 更に恐怖感をつのらせた



なんとか ここから脱出しなければと 中州を藪こぎするが 

どこも深く渡れそうなところは皆無・・・・



「お前 泳げるか?」と俺

「おお 大丈夫だ! で、でも 俺・・息継ぎできないんだ」 同級生

「・・・・・・・・」俺  ム 無理だ 流されれば下は 砂防 こいつが・・危ない・・・・・



 そして 僕らが 中洲を歩き回っている間に 自体は 急変していた・・・



 唸り声が 今 僕達の少し上から聞こえる・・


得たいの知れない唸り声が・・・唸り声の主が・・・川を渡り・・こちら側にきている・・・・


二人に戦慄が走り 血の気が引く思いがした・・・・が


唸り声は 僕らのほうへは来ず 山側へと除除に移動していった

 
・・・胸をなでおろす二人


この時になって やっと対岸からエンジン音がしているのに気づいた

車が 入ってきてたのだ 



唸り声の主は 車に気づき移動したのだろう



間もなく対岸に体格のいい二人の男が現れた


僕らは 川を渡ると 今しがたまで 唸り声がしていた事を 口早にしゃべった

男は ちょっと顔をしかめ「そうか、でたか・・」とボソッとつぶやいた



男の話によると そうそう出る物ではないが やはり ときどき出ることがあるっということだった


そして 親切にも 危ないので車で 送ってやるとまで言ってくれた 


とても 嬉しかったが 僕達は、この申し出を断り歩く事にした



ズブ濡れの僕らの体で おじさんの車を 汚したくなかったし

大人の人がいるっというだけで 安心感があった
(僕は小柄だが、友達は更にチビ だが地元の農家らしい二人組みは 大男で見るからにたくましかった)



僕らは 自転車に向かい 足早に歩き始めた

いつのまにか 雨は、上がっていた

もう 怖くはなかった 




                        今から30年も前のお話です・・・・では     

























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